next up previous contents
: 著作権とライセンス : 計算機とネットワークの基礎 : 計算機とネットワークの基礎   目次

計算機の構成とオペレーティングシステム

図 1: ハードウェアとソフトウェア
\includegraphics[clip,keepaspectratio,width=0.7\textwidth]{fig/hw-os.eps}

1 に示すように、計算機はハードウェアとソフトウェアから構 成されています。ハードウェアには、計算機本体(この中には、CPU、メモリー、 ハードディスクなどが入っている)やキーボード、マウス、プリンターなどがあ ります。通常、私たちが計算機を使う場合は、ワードプロセッサーのソフトウェ アを立ち上げて文書を作成したり、WWWブラウザーでインターネット上の情報を 見たりします。これらのソフトウェアは、アプリケーションソフトウェアと呼ば れます。では、アプリケーションソフトウェアとハードウェアだけで、計算機は 動いているのでしょうか? アプリケーションソフトウェアとハードウェアの間 には、オペレーティングシステム(OS)と呼ばれる計算機にとって最も基本的な ソフトウェアが存在します。アプリケーションソフトウェアは、直接ハードウェ アを制御することはほとんどなく、OS の提供する機能を利用してある種の仕事 をしているのです。OSには、カーネル(殻)と呼ばれる最も基本的な部分があり、 狭義では、カーネル = OS と考えます。広義では、カーネルの上で常に動いてい る基本的なソフトウェア(デーモン)、カーネルに対して直接コマンドを与える シェル、グラフィカルな環境を提供するウインドウシステム、(OSのソフトウェ アも含む)ソフトウェアを開発する開発環境なども含めて OS と考えます。OSの 種類は、Microsoft社の Windows、Apple社の Mac-OS、Solaris、Linux、 FreeBSD や NetBSD などの UNIX 系 OS など、多岐にわたります。ワープロや表 計算のためだけに計算機を使うユーザーは、OS や計算機の仕組みについて知ら なくてもあまり困ることはないと考えるかも知れませんが、一旦、計算機が不調 になると、ハードウェアの故障なのかソフトウェアの不良なのか、あるいは何ら かの設定ミスであるのかを判断して解決するためには、計算機や OS についての 理解が不可欠です。また、既存のソフトウェアでは満足せず、自分で新しいソフ トウェアを作る場合にも、OS の知識は不可欠です。

物理学実験のための計算機システム(stex 1) は、FreeBSD という UNIX 系 OS のひとつを 採用しています。ただし、ここで説明することは、FreeBSD の特有のことはほと んどなく、多くの UNIX 系 OS には、そのまま当てはまります。また、必要に応 じて、MS-Windows 2との対比や、同様なことを Windows で行うには?、等の説明も加えます。 本稿は、stex システムの使い方を説明するものですが、 表面的な使い方だけでなく、できるだけ、その裏で行われている仕組みを 理解してもらえるような説明を試みています。