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: Emacsの基礎知識 - Emacsコマンドとキーバインディング - : Emacs の使い方 : Emacs の使い方   目次

Emacsの起動と終了

Emacs を起動するには、プロンプトが出ている状態で、
  % emacs [option] (filename) Return 
とします。ここで、(filename) は、編集したいファイル名、Return は、 Return キーを打つことを意味します。 [option] は後ほど説明しますが、なくても構いません。

こうすると、X Window System を使っていて、正しく設定できている場合、新た な GUIのアプリケーションとして、Emacs のウィンドウが開きます (Case 1)。 そうでない場合、Emacs を起動したシェルの端末エミュレータの中で Emacs が 実行されます86 (Case 2)。GUI のウィンドウで立ち上がっ た Emacs の編集中の画面の例を、図10に示します。

図 10: EmacsのGUIウィンドウ(ただし、筆者はメニューが邪魔なので消してあります)
\includegraphics[clip,keepaspectratio,width=0.7\textwidth]{fig/emacs.eps}

Case 1 の場合は、Emacs ウィンドウ上部にメニューがあり、マウスで選ぶこと でも基本的な操作はできます87。Case 2 の場合は、マウスは全く使えません ので、これから説明する特殊なキー操作を行うことで、文書の編集その他の操作 を行ないます。 GUIのアプリケーションとして使用している時も、特殊なキーで 操作する方が便利なので、使いながら覚えていきましょう88。良く使われるキーは、あとでまとめておきます。

Emacs の特殊キーは、本稿の表記では、C-x と M-x という 2種類です。 C-x は、Control-x といって Ctrl キーと x を同時に押すことを表し、 M-x は、Meta-x といって、Meta キーの後に x を入力することを表します。 Meta キーは、通常、 $ \diamondsuit$ キーにバインドされていますが、 最近のキーボードにはありませんので、ESC キーが Meta キーの代わりになります。 したがって、以下の説明で、M-x という表記は、ESC キーのあとに x を入力す ることを表します。

10に示した状態は、画面が上下に分割されて、ふたつのバッファを表 示している状態です(バッファについては、あとで説明します)。それぞれの バッファの下に、色が変わっている 1行があります。これは モードラインと呼ばれ、 そのバッファの名前や状態を表す領域です。ウィンドウの 1番下にあるラインは、 エコー領域と呼ばれるラインで、Emacs からのメッセージが表示されたり、保存 する時のファイル名を入力したりする領域です。

さて、Emacs は起動した状態は、そのまま入力できる状態です。何か入力して みましょう。入力を間違えた時は、Delete キーでカーソルの直前の文字を 消すことができます。カーソルの移動は、カーソルキーでできますが、 正しく設定されていないと、カーソルキーは使えません。 この場合、特殊キーを使います。 C-f (Ctrl キーと f を同時に押す), C-b, C-p, C-n でカーソルは、 前、後、上、下に移動します。

Emacs コマンドを入力するとき、間違えて入力して、思いもかけないことが 起こることがよくあります。この時は、入力したコマンドを取り消すコマンド (C-g) があります。間違えて入力した時は、このコマンドを試して下さい。

さて、ファイルの編集も終り、Emacsを終了させるには、終了コマンド C-x C-c (C-x の後に C-c と入力) を使います。このコマンドを実行すると ファイルの保存がされていない場合、

Save file /home/daredare/hogehoge? (y,n,!, .,q,C-r or C-h)
とエコー領域(ウィンドウの1番下のライン)で聞いてきます。 保存する時は、'y'を、保存しない時は、'n'を入力します。 'n'を入力した場合、
Modified buffers exist; exit anyway? (yes or no)
と再度確認をしてきます。'yes' (保存しないで終了)89 または、'no' (終了コマンド取り消し) を入力して下さい。