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: コマンドヒストリとコマンドやファイル名の補完 : シェルの基本操作 : ファイルやディレクトリ操作   目次


オンラインマニュアルとページャの操作法

前節では、ls コマンドのオプションについて、-l と -a だけを説明しましたが、 ls には、その他に数多くのオプションがあります。そんなのは、とても覚え きれません。しかし、無理に覚える必要はありません、シェルでは、懇切丁寧な オンラインマニュアルが使えます。忘れてしまっても、オンラインマニュアルで 何度か調べているうちには、使う頻度の高いものは、自然に覚えてしまいます。 ただし、オンラインマニュアルは懇切丁寧ですので、調べたいことをみつけ出すの に、始めから読んでいては効率的ではありません。以下に説明するページャの 検索機能が使えるかどうかで、効率は全く変わります。

FreeBSDでは、オンラインマニュアルを表示するふたつのコマンドがあります。 man と jman です。man は英語のマニュアルページを、jman は日本語のマニュ アルページ47 を表示します。man は、マニュアルページを整 形して、結果をページャに渡します48 。 ページャとは、長い文書を1ページする端末に表示するソフトウェアの総称で す。初期の UNIX では、more というページャを使っていましたが、more には ページを戻る機能がなかったため、その機能をはじめ、その他の種々の機能を付 け加えた less49 というページャ が、現在はほとんどの UNIX で使われています。less で日本語を扱えるように したものが jless です。man (や jman) が、どのページャを使うかは、環境変 数 PAGER の値できまり(§2.3.4節参照)、man のコマンドラインオプショ ン -P で変更できます。では、jman man と入力してみましょう。

  % jman man
  MAN(1)                FreeBSD 一般コマンドマニュアル                  MAN(1)

  名称
     man - オンラインマニュアルのフォーマット、表示を行なう
  書式
     man [-adfhkotw] [-m machine] [-p string] [-M path] [-P pager] [-S list]
         [section] name ...
  解説
     man はオンラインマニュアルをフォーマットし、表示します。このバージョンで
     は、環境変数 MANPATH と PAGER を参照するので、各ユーザが固有のオンライン
     マニュアルを持つ事や、画面で見る際のページャを選ぶ事が可能です。セクショ

     ...(途中、省略)

     -m machine  マニュアルページによっては、特定のアーキテクチャに特化したも
  :
のように表示されたはずです50。 スペースキーを押すと 1ページ進み、b キーを押すと 1 ページ戻ります。less を終了するには、q キーを押します。良く使う less のキーをまとめます。

Space 1ページ前進
b 1ページ後退
G 最後のページへ
g 最初のページへ
return または j 1行前進
k 1行後退
/keyword keyword を下方へ検索
?keyword keyword を上方へ検索
h ヘルプを表示(ヘルプから抜けるには q)
v EDITOR を立ち上げて編集する(manの時は無効)
q less を終了

less の中の検索は、/(スラッシュ)の後に、検索したいキーワードを入力して リターンキーを押します。マッチしたキーワードは反転して表示されます。検索 中は n で次のマッチしたワードに移動し、N で前のマッチしたワードに移 動します。検索中でも、Space や b での前進や後退は、そのまま使えます。

less はオンラインマニュアルの表示だけに使われるものではありません。 1画面には収まらないような長いファイルの表示や、コマンドの出力が1画面には 収まらないような場合に、less を使うと便利です。後者については、 §2.3.5節で説明します。